シニア卓球サークルの“ボス”は寡黙ですが、存在感があります。
おなかの出た身体を常にユニフォームで包み、卓球爺さんの貫禄十分です。
毎回、開始時間前に練習場に着いて、開始早々に練習をはじめます。
遅れてくる人が多い中で、無遅刻、無欠勤はさすが“ボス”です。
かといって3時間みっちりやりません。
おむね2時間くらい過ぎると、静かに練習場を後にします。
自分で満足いく練習をしたら、それで充分ということなのでしょう。
「あら、ボスは帰ったのかしら?姿が見えないわね」
「そうみたいよ。さっき黙って出て行ったから」
誰にも干渉されず、マイペースで居られるのが、シニア卓球サークルのいいところです。“ボスは”その典型例といえるでしょう。
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この“ボス”は時々、私に「次、やりましょう」と声をかけてきました。
「試合形式でいきますよ」というのです。
私はレクリエーション卓球ですので、試合慣れしていません。
サークルでも試合形式の練習はあまりやったことがありません。
地域の大会出場の常連である“ボス”にしてみれば、ラリーの練習だけでは飽き足らないのでしょう。
なぜ、私を指名したかは分かりませんが、折角のお誘いですから、喜んでやらせていただきました。
“ボス”がサービスです。
私は下回転のカットボールをツッツキで返します。
3打目、“ボス”は私のフォアサイドに鋭角の強いボールを打ち込んできました。
私は打ち返せません。
3打目、今度は私のバックサイトを狙ってきます。
すぐに私の弱点を見抜いたのでしょう。
私はブロックしてなんとか返球します。
“ボス”は、それを待ってましたとばかりに、私のフォアサイドの空いたスペースに鋭角の速いボールが打ち込みます。
私はフットワークを使ってフォアサイドに動き、いっぱいに腕を伸ばしてもボールに届きません。
“ボス”は私の弱点を見つけたら、そこをとことん突いてきました。
試合不慣れな私には大いに勉強になりました。
果たして私でお相手になったのかどうか?
「また、やりましょう」と“ボス”は言ってくれたので、まずますだったのだと思っています。
いや、社交辞令で、そう言ったのかも知れませんが…。
つづく
(写真と当サークルは関係ありません)
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