「ダブルス、やらない?」
「いいわね。試合しましょ」
「面白いね。やろう、やろう」
シニア卓球サークルでは、参加者が少ない日や、途中で帰った人が多いときは、ダブルスの試合をすることがありました。
3台の卓球台があって、参加者が5、6人になると、休む時がなくなってきます。
ボール拾いもいなくなってしまいます。
いつも通りの練習をやっているだけでは、さすがに飽きてくることもあって、少ない人数になったのでゲームを楽しもうというわけです。
じゃんけんポンで数組のペアを決め、空いた人が審判員を務めます。
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「私に、できるかしら?」と試合に尻込みする人もいますが、「大丈夫、楽しいから」と誘われるとまんざらでもなさそうに、「やるわ」と意気込みをみせます。
そうなんです。みなさん、試合が本当は好きなんです。試合がしたいんです。
シングルスだと難しい人でも、ダブルスなら楽しめそうです。
急造ペアばかりなので、なかなか意気が合うというわけにはいきません。
なかには、交互に打つことを知らずに、全部自分一人で打ち返えそうとするご婦人もいます。
「あなた、ダブルスは入れ替わりに打つのよ」
「あら、そうなの。知らなかったわ」
「ずっと動かないで立たれたら、私が打てないわ」
「打ったら、すこし動いて、空けてね」
そんなこんなで、若返ったようにみんなで大笑いです。シニア卓球ならではの和やかな空気が流れます。
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ある程度の経験者4人がそろったダブルスの試合は、なかなかの好試合になります。
「3打目で決めて!」
「よっしゃ、任しとけ!」
気合が入り、いつしか真剣勝負になってきます。
ラリーが続き、ドライブの効いたボールが台上に突き刺さるように決まると、「ナイスボール」の声が飛びます。
接戦にになると、気を抜けません。ミスすると、ペアを組んだ人に申し訳ない、そんな気にもなってきます。
接戦を制して勝てば、「やった」とペアとハイタッチ。負ければ「悔しい」と雪辱を誓うのでした。
シニアにとってダブルスの練習試合は、最高に楽し、です。
つづく
(写真と当サークルは関係ありません)
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